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「県条例に基づく移入規制種の規制に係る意見交換会参加所見」

佐賀県条例に基づく移入規制種の規制に係る報告を横峰様からいただきました。

※県条例に基づく移入規制種の指定に係る意見交換会参加者による内容の報告書を先にお読みになってから下の文をお読みになって下さい。尚、報告書はPDFファイルになっております。報告書はこちらから。

県条例に基づく移入規制種の規制に係る意見交換会参加所見を印刷してお読みになりたい方はこちらから。(PDFファイルになっております)

 

text by 横峰 竜一

意見交換会の内容については、同封した報告書に記したとおりですが、会議の内容に関しては「きちんとした議論をするには3時間は短すぎ、不毛な議論をした3時間は長かった」というのが感想です。

私の考えでは、この意見交換会というもので、指定賛成及び反対派の意見を聞き、それに対して県側がしっかりとした審議応答及び現在の対策と条例にその意見をどう反映させるかという明確な答え(4月条例施行ならもうほとんど条例自体は完成していると考えられるので)を解答してくれると考えていたのですが、実際は会議時間が短すぎ、議論が「条例の内容に対する踏み込んだ議論」ではなく、その前の段階「指定するしないの個人若しくは団体側の思想・主義の主張の場」で終わってしまったということです。

確かに公の場でこういった指定賛成派や反対派がそれぞれの意見を主張し議論するのは大事なこととは思い、貴重な時間だったと思いますが、いかんせん時期が遅きに失したという感は否めません。

この手の議論はもっと早い時期、この条例の草案時に行われてもよかったのではないか?と私は考えました。

先程記したことと重複しますが、4月に施行される条例ならばもう既にほとんどの内容は完成していなければならず、現段階で一般の我々の意見を条例に反映させることなど不可能に近いのではないか?と思われるからです(私も職業が公務員という立場からよく分かる)

実際に県側は、報告書に記したとおり、条例の内容に踏み込んだ意見が北山ダム湖面利用組合や、釣人から子供の水遊び時に捕獲した指定種の取扱いに関しては「こういった意見を聞き、条例の施行に生かすためにこの交換会を実施している」という感じの答弁に留まり、明確な回答を出してはくれませんでした。

ただ、私のあくまで私的な感想としては、もうこの段階では条例の内容等は施行に向けて決定していた。しかしパブリックコメント等で「我々の意見も聞いてくれ」という意見がかなり寄せられたため、県側はとりあえず「バス釣りをする人達の意見も聞きましたよ」という、悪く言えば既成事実を作るためにこの意見交換会を実施したのでは?という疑念を持たざるを得ません(極めて残念ですが)実際に会議の中では県内全域で平成14年~16年にかけて実施したという外来生物の調査(淡水魚)内容及び結果の詳細な報告はありませんでした。

時間に制限があるというのは充分理解できますが、移入規制種への指定という会議であるならば、調査の内容及び結果は指定する・しないということに対して重要な根拠となるべきものなので、もう少し時間を割いて報告して欲しかったと思います。

しかし「開示請求をした場合、応じてくれるのか?」という問いに対しては「応じる」ということでありました。

実際私は、市民オンブズマンの方に(学生時代の私の恩師)問い合わせたところ、県民には県が県民の税金が投入されて行われたことに関しては、知る義務と権利がある。県がこの件に関しても開示請求に応じるのは当たり前だ、という解答でした。

次にパブコメに関してですが、この県側の発表内容から見れば、いかにオオクチバスに対して何らかの関心を持っている人がいかに多いかが分かります。しかし、私から言わせれば県外意見3796件に対し県内意見404件は残念ながら少なすぎるのではないか?と思います。

インターネットやメールが発達した現代なので、県外からも多数の意見が寄せられるのは容易に理解できますが、県内の釣り人の関心はこの程度なのか?といささか拍子抜けしました。

そしてやはり、意見のほとんどが「オオクチバスの指定反対」にのみ考えが固着しているのではないか?と思われるところです。

「オオクチバスの指定反対」が630件に対し、「その他の外来魚についても反対」意見が120件という数字がそれを如実に表しています。

この結果はともすれば「やはりバスを釣る人達はバスさえよければ、その他の外来魚や在来の生き物達はどうでもいいと考えているのだ」と指定賛成派に思われ、足下をすくわれる結果になっていると言えます。

実際私が会議実施前に県に問い合わせたところ、バスやライギョ釣りの人達から極めて恣意的で一方的と思われる意見が多数寄せられている、という話も聞きました。しかし、県側の発表にあった「パブコメに関しては県内在住者の意見のみを参考とし、県外在住者からの意見は参考としない(しなかった)」というのはいったいどういう事なのでしょうか?

これに関しての理由の説明等は一切無ありませんでした。

もし、県側が最初からこのつもりであったのなら、パブコメの告知をした段階でこの事に関しても告知するべきではなかったのでしょうか?

県のHPや新聞等の記事でもそのような事はどこにも記されてはいませんでした。これは県側が思っていた以上に「反対」(ここでは外来魚全てをひっくるめて)の意見が多く、
慌てて対処したのか(条例の施行に不利になるため?)それとも「県のことは県でやる。よそ者がとやかく言うな」という事なのでしょうか?

とにかく、このパブコメに対する県の処置には、納得できないものを感じました。そして条例の第六十六条に関してですが、報告書でも記しているとおり、現段階の条例をそのまま解釈すれば釣り上げてその場で魚を釣り上げた水の中に帰す(いわゆるキャッチ&リリース)行為も六十六条に謳われている「放ち」という行為に値するという事であります。

しかしながら(県側の意見としては)はたしてキャッチ&リリースが「放ち」という行為に該当するかということは一考を要する事と考えているので、条例の施行までに再検討するという事でしたので、県側が何とかこの件に関して条例施行までにに盛り込んでくれる事に、わずかばかりの望みを託そうと思います。

そして「指定された移入規制種に係る地域内において」という文の解釈ですが、これも報告書に記したとおり、例えば、仮にオオクチバスとカムルチーが指定されたとして・・・

「バスは県内A及びB地区のみで①(「放ち」という行為)が禁止、カムルチーに関しては県内A及びC地区のみでの①が禁止」という指定の仕方もあるという可能性もある。

しかし「地域内において」ということは「県内全域(いわゆる全ての水域・水系)を定めることができる」という事でもある(県側見解)という、何かよく分からない、真綿で首を絞められているような感じをうけました。

しかし、このふたつの件には、私の足りない頭で考えただけでもかなりの問題を孕んでいます。

もしこの指定候補種106種を全て指定したと仮定した場合、報告書でも、前述したものでもありますが、子供の水辺遊び等で捕獲したアメリカザリガニやスクリミンゴガイ(以下ジャンボタニシと呼称)の処置もどう解釈するか、また、この条例は「釣り」という行為自体を禁止するものではないため(当たり前である)禁止地域(県内全てであれば全域)内での「放ち」という行為が禁止となっても、皆さん御存知のとおり、佐賀平野の特色であるクリークはほぼ佐賀平野全体に広がっており、そのほとんどが何らかの形で連結しているといっても過言ではありません。

水路で連結されている限り魚の移動能力は我々人間の及ばないところにあり、リリ禁やリリースOKの地区を設けることが、有効な効果を上げるという事に対して、私は疑問を感じました。

念のため申し上げますが、だからといって私は全面リリ禁や釣り禁止にしろと言っているのではないという事を念のため申し上げます。

ただ、こういった佐賀の地域特色を考慮して対策を講じないと、せっかく施行した条例も有効に機能せず、在来の生態系の回復がなされないということになってしまうのではないかと感じました。

これはリリ禁になった場合、我々が釣り上げた魚をどう回収するかという方法についても同じ事が言えると思います。

まさか県は個人的に何とかしろとは言わないと信じておりますが、滋賀県のように回収ボックスやイケスを設けたり(イケスは百歩譲って理解できるが)「ありがとうノーリリース券」等というとんでもなくバカバカしい金券(あえてカタカナで書く)なるものを配布し、生命の尊厳を踏みにじるような行為に走ることは絶対やめて欲しいと感じました。

ちなみに県からは釣った魚をどうするかという件に関しては何の発表もありませんでした。(質問もなかった)

そしてさらに「駆除」「防除」というものに県が乗り出した場合、県だけでこのような事業を行う事はほぼ不可能であり、民間委託ということになると考えられます。それに外来魚被害のある内水面漁協に対する補助金等が支払われることになった場合も同様です。

以前、平成15年に滋賀県漁連会長らが、「工事で川が汚れ、漁業被害が出た」等とウソ八百の狂言を言って工事関係者を恐喝し、保証金を要求した事件が現実に起こっている(別紙7の資料参照)この事件の例から見ても「外来魚の制で漁業被害がある。補償金が欲しい」と「駆除を実施するから補償金が欲しい」ともしかしてもしかしたらウソをつく人間が出てくる可能性も全くないとは言えません。

こういった事態の対策・査察及び監査の実施に関してはどうなっているかという事や、我々釣人が違法行為(いわゆる「放ち」という行為)をした場合の罰則等に関しても何の報告もなく、この条例に対するいっそうの不安感を感じた次第です。

個人的な意見を発表するフリートーキングでは、報告書で述べたような事項が印象に残りました。

リリースという行為に執拗と言える程の憎悪と嫌悪感を現し、感情的になっていた人や、日本で発生した釣りは基本的にC&Eだという人もおられました。

これには私は思わず、その人の意見を最後まで聞かず、「ヘラブナはどうなんですか」と少し大きな声を上げてしまいましたが・・・(申し訳ありません)そして、北山湖の湖面利用組合の方々の意見は、私の心に残りました。

本来、生物の生存権や生態系の維持、回復及び保持という行為を論ずる際に、経済や利権・利益のことを持ち出すことに対しては疑問も多々あるのですが、あの人達の「我々は北山ダムでボート屋を営んでいるが、10数年前、北山ダムでオオクチバスが増加し始めた時、ヘラブナ・ワカサギ釣客への貸ボートで生計を立てていた我々3軒(溝口・うおまん・しのはら)は何10回も県に対して「バスを何とかしてくれ」と陳情したが、井元知事(当時)が視察に一度来たきりで、その後は何もしてくれなかった。我々は実費で引き網等を使ってバス駆除に奔走したが個人でできることには限界があり、断腸の思いで、ボート貸し出しの対象をバス釣りの人達に替え、生活の糧にしてきた。しかし今回、バスが生態系に影響を与えると世間や環境省が騒ぎ出したら、態度を一変させて駆除だリリ禁だと言い出す。話題にならなかった時、県や行政は何もしてくれなかったのに、今回のこの措置はあまりにも行政側の勝手で一方的な措置である。

バスが指定され、駆除だリリ禁だとなれば「バス釣り禁止」と言っているのと同じであり、我々は生活できなくなってしまう。死活問題であるからバスを指定しないでほしい」というのは、行政に振り回され、必至に自分達で生きる道を模索してきた人達の、ものの善悪や移入規制種に指定する・しないという意識を超えた心からの叫びだったと私は感じました。

こういうふうに私が感じたことに対し、批判や反論のある方は多々あると思います。そういったものは甘んじて受ける覚悟でございます。声を大にしてその反論を私にぶつけてください。

そしてやはり、皆さんの発言内容を聞いていると、指定賛成派(県の姿勢も?)は「バスはまずはじめに指定ありき」という考えの元に成り立っていると言うことです。そして発言権を得た釣人のほとんどは「生態系の破壊はバスだけが問題ではない。バスの指定は外して欲しい」ということです。

聞いていて感じたことなのですが、指定賛成派の理由として・・

(1) 土地改良事業等による水域の破壊も生態系破壊の理由だが、やはり外来魚の与える影響もかなり大きい。

(2) 子供達を水辺で生き物について教育する時、バスやギル、ジャンボタニシやアメリカザリガニ、ウシガエルばかりいたら(実際そんな感じ)子供達にどう教育していいか分からない。

(3) 釣りという行為も子供の教育になりうるが、釣れてくるのが外来魚ばかりではこれもやはり説明のしようがない。

(4) このまま外来種を野放しにしていたら、佐賀や北部九州の生態系が失われてしまう。

指定反対派の理由

(1) 経済的理由(主に前述した理由)

(2) 生態系の破壊は外来種に因るところも大きいが、まずは不必要な護岸工事等を見直して、それから議論すべきでないのか?

(3) 釣りという行為は、確かに子供の教育になりうる、そして最近の子供達は幼少の頃から外来種にも親しんできており、外来魚に対しても抵抗はないはず、その辺をきちんと教えていけば、外来魚が子供の教育の邪魔になるということはない。

という、どちらも理由は何となく似たようなものであったのであります。

お互いの(1)と(2)は私ももっともだと思いますし、賛成派の(4)もあながち間違いではなく、そういった危機感は大事だと思います。

私個人としては、外来種のみの力で佐賀や北部九州の生態系が蹂躙・破壊されてしまうとも思えませんが・・・双方ともに「釣り」という行為は子供達の教育にも役に立つものであるから、移入外来種に指定して欲しい、して欲しくないという意見があります。

一般にこれは賛成派、反対派双方ともに説得力のある意見としてとらえられがちですが、バスがいる、いない事を子供達に教育・説明することがそんなに難しく、困ることなのでしょうか?

むしろ我々はバスをはじめとする外来生物がいかに我々人間の身勝手な理由から国内に生息するようになった経緯を、子供達に分かりやすく説明し、彼らが「悪者」ではなく、その行為に及んだ我々人間の身勝手(我々釣人の個人レベルの密放流行為も、護岸工事等の原因もあることも含んで)をきちんと教え、彼らもまた被害者であるということを伝えるべきではないでしょうか?滋賀県が実施しているような、県を上げての外来種撲滅運動、具体的に回収ボックスや回収イケスの設置、「ありがとうノーリリース券」(この「ありがとう」という言葉は一体何なのだろうか・・・)などというものの交付、そして小学校では「バスやギルは悪い魚だからみんなで一致団結して捕まえて殺しましょう」等ということを教えていると聞きます。現に「外来魚撲滅キャンペーン」等というイベントを実施し、集まった子供達にバスやギルを釣らせ、釣り上げたバスやギルをゴミのように袋に詰め、処分(廃棄物処理と呼んだ方がいいか?)している光景をTVのニュースや行為がいかにも正しい正義の行為だと言わんばかりに紙面に掲載する雑誌(アウトドア誌では老舗のBP)そして、バス釣りは犯罪行為(今は犯罪的行為と言い換えたようだが・・・)と著書の中ではっきり言った秋月岩魚氏、この言葉を額面とおり受け取れば、我々バスやギル、カムルチーを釣る我々は犯罪者ということになってしまう。

秋月氏のこの言動はスーパーで万引きをしていない人をあなたは泥棒だ」と言っているようなものである。

このような生物の生命の尊厳を無視するような教育ではなく、むしろ生命の尊厳を無視した行為を行ってきた人間の行為、もちろんこの場合、我々釣人の今までのしたい放題、やりたい放題の行為に関しては、厳重な非難を受けても甘んじて受けなくてはいけないと思います。

しかし、「犯罪者扱い」されることはありません。これに対しては我々も毅然とした態度を示すべきと思います(決して逆ギレではなく・・・)

これは私の職業柄経験することですが、何らかの行動を起こす際に子供を利用するという行為は、世界の情勢や仕組みが分からない子供を戦争反対、のデモや座り込みの最前列に座らせているあのイヤらしい行為と全く同じです。

これは今述べた賛成派だけでなく、我々反対派も厳に肝に銘じておかなければならないことと思います。

外来魚は自然環境において人間の身勝手さを教えるいい教育の対象になると思います。この際教育する側がよく勉強し、指定賛成・反対ではなく公平な立場で子供達に生命の大切さとは何か?を教えるべきだと思います。

興味深い発言として報告書の最後に取り上げた(発言者は忘れましたが、報告書で記したどちらかの方です)淡水魚(生物ととらえてもいいのか?)は、自力で生息圏を拡大することができない、ということに関しては私は疑問を持ちました。

この場合、佐賀平野のように縦横無尽に広がるクリーク等のことはおそらく別だと言われるのでしょうが(そう思いたい)だからといって日本中の湖沼や池沼に故意に人間が広めたものとばかりいえるでしょうか?

前述したように魚の魚に限らず、生物の移動能力というのは人智を越えた所にあり、大雨が降った時などに増水して溢れ出た池から河川へ泳ぎ渡るコイやフナ、ナマズを見たことは何度もありますし、大規模な釣りの対象となっていないタイリクバラタナゴの生息圏拡大や、魚に限らず、あの移動速度の遅いジャンボタニシ等の生息圏拡大は(最初の発端は人為的であったにせよ)人為的とは言い切れない部分もあるはずです。

そうでなければ、当初の遺棄、放流地点からそんなに広範囲に生息域を広げたことの理由を説明できません。いずれにせよ「淡水魚は自力で生息圏を拡大することができない」と断定してしまうのに私は疑問を隠せませんでした。

それから最後の佐賀大学教授の発言

「あなた達釣人はバスの数が釣りたいのか、それとも大物が釣りたいのか?大物が釣りたかったらバスの移入外来種指定に賛成した方がよい」という発言に私は怒ると言うより、呆れてしまい、そして悲しくなりました。

この人の頭の中では、我々釣人を所詮無知な輩と小バカにし、所詮「釣人はバスを釣ることしか考えていない」程度のことしか考えていないとしか認識しておらず、指定及び駆除に賛成してバスの駆除を推進すれば個体数が減り、必然的に生き残ったバスの魚体が大きくなるため、大物が釣れるようになると言いたいのでしょうが、少なくとも私の言いたいこと、やりたいことはこの大学の教授の頭の中で考えていることとは全く違います。

学識者と呼ばれる人の中にも、このような考えをお持ちの方もいるのだなと考えさせられました。この人にとっては、バスやギル、カムルチーなどの外来魚の命の価値など、無いに等しく、いなくなって当たり前だと思っているとしか私には思えません。

しかし、冷静になって考えてみると、こういった事態を招いたのは私達釣人にも大いに責任があるということを痛感させられました。

そして翌日の佐賀新聞朝刊には、前日の公聴会の模様と、それに抱き合わせるように、小池環境大臣が都内でのシンポジウムでバス駆除を訴えたという記事が記載されています(別紙・5、ピンクのペンで囲い)

この記事の中での小池環境大臣の発言が事実とするならば、激しい憤りを感じ、怒りが沸々とわいてくるのを押さえることができません。

この人は国民の税金を投入して行われた小委員会での決定を完全に無視して「バスは初めに指定ありき、バスを指定しなければこの法案の意味がない」と公言して、議会制民主主義の原則を完全に無視した独裁者的決定をしたばかりか、このシンポジウムでは「このくらいのことが言えなきゃ、環境大臣をやっている意味がない」と述べ、指定賛成者の拍手喝采を受けたそうです(大臣はさぞかし御満悦だったことでしょう)

これはもう完全に「生命の尊厳」など全く無視し、己の実績作りと、おそらく国民の中でも(国会議員の中でも、自分を支援する団体や選挙権を持つ人々)多数派である指定賛成派への御機嫌取りにほかなりません。

さらに「(規制対象リストを検討した)専門家会合では私の発言に左右されず真剣に議論していただいた。プロセスに問題はない」と強調したそうです。よくもこのようなウソをしゃあしゃあと述べられる、さすが政治家だと尊敬する思いです。確かに委員会で真剣に議論したのは事実でしょう(この事だけを言っているのか?)しかしその決定を全く無視して、一方的に決めたのは大臣自身です。それに最初の発言などは、自分の所に寄せられた抗議の手紙やウィルス入りメールに対する(こういうことをするバカがいるからいけないのであることも声を大にして言いたい)逆ギレ発言としか思えず、とても政府の一省庁の頂点に立つ大臣の言う言葉ではないと私は思います。バスやギルが指定されたことは百歩譲って仕方のないことと自分自身を何とか納得させることもできますが、都内シンポジウムでの発言に関しては本当に憎しみにも似た怒りで私の体の中は満ち溢れています。

最後に、話は前後しますが、このままでは県が指定候補に上げている14種類の淡水外来魚に関しては、残念ながら指定される気配が濃厚です。

場合によってはリリ禁という最悪の事態もかなりの確率で予想されます。

あと私達ができることは報告書でも記したとおり、県が実施したという実地調査と、条例の施行までのプロセスを皆が協力して開示請求し、この条例に関してもっと詳しく知ることと、時間は無いに等しいですが、県に対し粘り強くお願いすることくらいしかないと私は考えます。

私は公聴会の発言で「バスを指定しないで・・」「カムルチーを指定しないで」といった趣旨の発言は差し控えました。

「甘い」と皆様に思われ、怒りを持たれる方もおられると思いますが、私としてはバスもカムルチーもブルーギルも全ての外来種を指定して欲しくないと言うのが本心であったし、こういうただでさえ外来魚に対する逆風の中で「バスを・・・」「カムルチーを・・・」「ギルも・・・」という発言をした場合、主催者の県側からいい印象を持たれず、意見をまともに聞いてもらえないかもという恐れもあったからです。

しかし私は魚種にはこだわらずとも、左記の報告書で述べたとおりの発言をし、きちんと自分の気持ちを伝えたつもりです。私自身の知識と経験の不足から、言葉が足りなかったことは重々承知しております。

しかし私は公聴会に参加し、発言権を得た責任を強く感じ、この場所では釣人を代表しているのだとい自覚を持って、堂々と責任ある発言を自分なりにしたという自信は持っておりますが。力が及ばなかったという反省もしております。本当にもう時間がない中ではありますが、私は「生命の尊厳」というものをもう一度よく考え、何をすべきなのかをよく考えながら、所見の結言としたいと思います。長々とまとまりのない文章を一読いただき、本当にありがとうございました。

平成17年3月18日

佐賀県雷魚団  横 峯 竜 一