2005.11.01

佐賀県の環境条例の移入規制指定種を32種に関するデータです。


(概要)

1 指定すべき移入規制種 植物18種類、淡水魚7種類、爬虫類3種類、哺乳類4種類の計32種類

2 指定すべき移入規制種の飼育・飼養基準(関連ファイル参照)

3 オオクチバスに関する例外措置(関連ファイル参照)

4 移入規制種の指定等の施行時期(平成18年4月1日)


詳細の関連ファイルはこちらからダウンロードしてください。PDF形式となっております。

佐賀県庁のホームページはこちら

お問い合わせ 佐賀県庁環境課 0952-25-7080
               e-mail: kankyou@pref.saga.lg.jp





 
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2005.09.16
フリーライターの横沢鉄平さんから佐賀県の環境条例についてお知らせをいただきました。
詳細は下記になります。



9月8日、佐賀県は環境条例の移入規制指定種を32種に絞り、
その種についてはキャッチ & リリースも禁止される見通しになりました。
佐賀県に問い合わせたところ 残念ながらブラックバスは指定種に入りましたが、
一部にキャッチ & リリースを許可する特例区域も設けられるそうです。
当初指定候補だったカムルチーとタイワンドジョウは、指定されませんでした。
ですから、とりあえずライギョに関しては規制が及びません。
いち早く報道した佐賀新聞には、 バスのことしか書かれていないので、
「不安に思うライギョマンも多いのでは・・・・・・」
と思いまして、 報告した次第です。



とのことです。






 
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  2005.03.18
佐賀県条例に基づく移入規制種の規制に係る報告を横峰様からいただきました。

※県条例に基づく移入規制種の指定に係る意見交換会参加者による内容の報告書を先にお読みになってから下の文をお読みになって下さい。尚、報告書はPDFファイルになっております。報告書はこちらから。
県条例に基づく移入規制種の規制に係る意見交換会参加所見を印刷してお読みになりたい方はこちらから。(PDFファイルになっております)
 
2005.03.18
text by 横峰 竜一

  「県条例に基づく移入規制種の規制に係る意見交換会参加所見」


意見交換会の内容については、同封した報告書に記したとおりですが、
会議の内容に関しては「きちんとした議論をするには3時間は短すぎ、不毛な議論をした3時間は長かった」
というのが感想です。

私の考えでは、この意見交換会というもので、指定賛成及び反対派の意見を聞き、
それに対して県側がしっかりとした審議応答及び現在の対策と条例に
その意見をどう反映させるかという明確な答え(4月条例施行ならもうほとんど条例自体は完成していると考えられるので)を解答してくれると考えていたのですが、実際は会議時間が短すぎ、議論が「条例の内容に対する踏み込んだ議論」ではなく、その前の段階「指定するしないの個人若しくは団体側の思想・主義の主張の場」で終わってしまったということです。
確かに公の場でこういった指定賛成派や反対派がそれぞれの意見を主張し議論するのは大事なこととは思い、
貴重な時間だったと思いますが、いかんせん時期が遅きに失したという感は否めません。
この手の議論はもっと早い時期、この条例の草案時に行われてもよかったのではないか?と私は考えました。
先程記したことと重複しますが、4月に施行される条例ならばもう既にほとんどの内容は完成していなければならず、現段階で一般の我々の意見を条例に反映させることなど不可能に近いのではないか?と思われるからです(私も職業が公務員という立場からよく分かる)

実際に県側は、報告書に記したとおり、条例の内容に踏み込んだ意見が北山ダム湖面利用組合や、釣人から子供の水遊び時に捕獲した指定種の取扱いに関しては「こういった意見を聞き、条例の施行に生かすためにこの交換会を実施している」という感じの答弁に留まり、明確な回答を出してはくれませんでした。
ただ、私のあくまで私的な感想としては、もうこの段階では条例の内容等は施行に向けて決定していた。
しかしパブリックコメント等で「我々の意見も聞いてくれ」という意見がかなり寄せられたため、
県側はとりあえず「バス釣りをする人達の意見も聞きましたよ」という、
悪く言えば既成事実を作るためにこの意見交換会を実施したのでは?という疑念を持たざるを得ません(極めて残念ですが)
実際に会議の中では県内全域で平成14年〜16年にかけて実施したという外来生物の調査(淡水魚)内容及び結果の詳細な報告はありませんでした。

時間に制限があるというのは充分理解できますが、移入規制種への指定という会議であるならば、
調査の内容及び結果は指定する・しないということに対して重要な根拠となるべきものなので、
もう少し時間を割いて報告して欲しかったと思います。
しかし「開示請求をした場合、応じてくれるのか?」という問いに対しては「応じる」ということでありました。
実際私は、市民オンブズマンの方に(学生時代の私の恩師)問い合わせたところ、
県民には県が県民の税金が投入されて行われたことに関しては、知る義務と権利がある。
県がこの件に関しても開示請求に応じるのは当たり前だ、という解答でした。
次にパブコメに関してですが、この県側の発表内容から見れば、いかにオオクチバスに対して何らかの関心を持っている人がいかに多いかが分かります。
しかし、私から言わせれば県外意見3796件に対し県内意見404件は残念ながら少なすぎるのではないか?と思います。
インターネットやメールが発達した現代なので、県外からも多数の意見が寄せられるのは容易に理解できますが、県内の釣り人の関心はこの程度なのか?といささか拍子抜けしました。
そしてやはり、意見のほとんどが「オオクチバスの指定反対」にのみ考えが固着しているのではないか?と思われるところです。
「オオクチバスの指定反対」が630件に対し、「その他の外来魚についても反対」意見が120件という数字がそれを如実に表しています。
この結果はともすれば「やはりバスを釣る人達はバスさえよければ、その他の外来魚や在来の生き物達はどうでもいいと考えているのだ」と指定賛成派に思われ、足下をすくわれる結果になっていると言えます。
実際私が会議実施前に県に問い合わせたところ、バスやライギョ釣りの人達から極めて恣意的で一方的と思われる意見が多数寄せられている、という話も聞きました。
しかし、県側の発表にあった「パブコメに関しては県内在住者の意見のみを参考とし、県外在住者からの意見は参考としない(しなかった)」というのはいったいどういう事なのでしょうか?
これに関しての理由の説明等は一切無ありませんでした。
もし、県側が最初からこのつもりであったのなら、パブコメの告知をした段階でこの事に関しても告知するべきではなかったのでしょうか?
県のHPや新聞等の記事でもそのような事はどこにも記されてはいませんでした。
これは県側が思っていた以上に「反対」(ここでは外来魚全てをひっくるめて)の意見が多く、
慌てて対処したのか(条例の施行に不利になるため?)
それとも「県のことは県でやる。よそ者がとやかく言うな」という事なのでしょうか?
とにかく、このパブコメに対する県の処置には、納得できないものを感じました。
そして条例の第六十六条に関してですが、報告書でも記しているとおり、現段階の条例をそのまま解釈すれば釣り上げてその場で魚を釣り上げた水の中に帰す(いわゆるキャッチ&リリース)行為も六十六条に謳われている「放ち」という行為に値するという事であります。
しかしながら(県側の意見としては)はたしてキャッチ&リリースが「放ち」という行為に該当するかということは一考を要する事と考えているので、
条例の施行までに再検討するという事でしたので、県側が何とかこの件に関して条例施行までにに盛り込んでくれる事に、わずかばかりの望みを託そうと思います。
そして「指定された移入規制種に係る地域内において」という文の解釈ですが、
これも報告書に記したとおり、例えば、仮にオオクチバスとカムルチーが指定されたとして・・・
「バスは県内A及びB地区のみで@(「放ち」という行為)が禁止、
カムルチーに関しては県内A及びC地区のみでの@が禁止」という指定の仕方もあるという可能性もある。
しかし「地域内において」ということは「県内全域(いわゆる全ての水域・水系)を定めることができる」という事でもある(県側見解)という、
何かよく分からない、真綿で首を絞められているような感じをうけました。
しかし、このふたつの件には、私の足りない頭で考えただけでもかなりの問題を孕んでいます。
もしこの指定候補種106種を全て指定したと仮定した場合、報告書でも、前述したものでもありますが、
子供の水辺遊び等で捕獲したアメリカザリガニやスクリミンゴガイ(以下ジャンボタニシと呼称)の処置もどう解釈するか、
また、この条例は「釣り」という行為自体を禁止するものではないため(当たり前である)禁止地域(県内全てであれば全域)内での「放ち」という行為が禁止となっても、
皆さん御存知のとおり、佐賀平野の特色であるクリークはほぼ佐賀平野全体に広がっており、
そのほとんどが何らかの形で連結しているといっても過言ではありません。
水路で連結されている限り魚の移動能力は我々人間の及ばないところにあり、
リリ禁やリリースOKの地区を設けることが、有効な効果を上げるという事に対して、私は疑問を感じました。
念のため申し上げますが、だからといって私は全面リリ禁や釣り禁止にしろと言っているのではないという事を念のため申し上げます。
ただ、こういった佐賀の地域特色を考慮して対策を講じないと、せっかく施行した条例も有効に機能せず、
在来の生態系の回復がなされないということになってしまうのではないかと感じました。
これはリリ禁になった場合、我々が釣り上げた魚をどう回収するかという方法についても同じ事が言えると思います。
まさか県は個人的に何とかしろとは言わないと信じておりますが、
滋賀県のように回収ボックスやイケスを設けたり(イケスは百歩譲って理解できるが)「ありがとうノーリリース券」等というとんでもなくバカバカしい金券(あえてカタカナで書く)なるものを配布し、
生命の尊厳を踏みにじるような行為に走ることは絶対やめて欲しいと感じました。
ちなみに県からは釣った魚をどうするかという件に関しては何の発表もありませんでした。(質問もなかった)
そしてさらに「駆除」「防除」というものに県が乗り出した場合、
県だけでこのような事業を行う事はほぼ不可能であり、
民間委託ということになると考えられます。
それに外来魚被害のある内水面漁協に対する補助金等が支払われることになった場合も同様です。
以前、平成15年に滋賀県漁連会長らが、「工事で川が汚れ、漁業被害が出た」等と
ウソ八百の狂言を言って工事関係者を恐喝し、保証金を要求した事件が現実に起こっている(別紙7の資料参照)
この事件の例から見ても「外来魚の制で漁業被害がある。補償金が欲しい」と「駆除を実施するから補償金が欲しい」ともしかしてもしかしたらウソをつく人間が出てくる可能性も全くないとは言えません。
こういった事態の対策・査察及び監査の実施に関してはどうなっているかという事や、
我々釣人が違法行為(いわゆる「放ち」という行為)をした場合の罰則等に関しても何の報告もなく、
この条例に対するいっそうの不安感を感じた次第です。
個人的な意見を発表するフリートーキングでは、報告書で述べたような事項が印象に残りました。
リリースという行為に執拗と言える程の憎悪と嫌悪感を現し、
感情的になっていた人や、日本で発生した釣りは基本的にC&Eだという人もおられました。
これには私は思わず、その人の意見を最後まで聞かず、「ヘラブナはどうなんですか」と少し大きな声を上げてしまいましたが・・・(申し訳ありません)
そして、北山湖の湖面利用組合の方々の意見は、私の心に残りました。
本来、生物の生存権や生態系の維持、回復及び保持という行為を論ずる際に、
経済や利権・利益のことを持ち出すことに対しては疑問も多々あるのですが、
あの人達の「我々は北山ダムでボート屋を営んでいるが、10数年前、北山ダムでオオクチバスが増加し始めた時、
ヘラブナ・ワカサギ釣客への貸ボートで生計を立てていた我々3軒(溝口・うおまん・しのはら)は何10回も県に対して
「バスを何とかしてくれ」と陳情したが、井元知事(当時)が視察に一度来たきりで、
その後は何もしてくれなかった。我々は実費で引き網等を使ってバス駆除に奔走したが個人でできることには限界があり、
断腸の思いで、ボート貸し出しの対象をバス釣りの人達に替え、生活の糧にしてきた。
しかし今回、バスが生態系に影響を与えると世間や環境省が騒ぎ出したら、
態度を一変させて駆除だリリ禁だと言い出す。話題にならなかった時、県や行政は何もしてくれなかったのに、
今回のこの措置はあまりにも行政側の勝手で一方的な措置である。
バスが指定され、駆除だリリ禁だとなれば「バス釣り禁止」と言っているのと同じであり、
我々は生活できなくなってしまう。死活問題であるからバスを指定しないでほしい」というのは、
行政に振り回され、必至に自分達で生きる道を模索してきた人達の、
ものの善悪や移入規制種に指定する・しないという意識を超えた心からの叫びだったと私は感じました。
こういうふうに私が感じたことに対し、批判や反論のある方は多々あると思います。
そういったものは甘んじて受ける覚悟でございます。声を大にしてその反論を私にぶつけてください。
そしてやはり、皆さんの発言内容を聞いていると、指定賛成派(県の姿勢も?)は
「バスはまずはじめに指定ありき」という考えの元に成り立っていると言うことです。
そして発言権を得た釣人のほとんどは「生態系の破壊はバスだけが問題ではない。
バスの指定は外して欲しい」ということです。

聞いていて感じたことなのですが、指定賛成派の理由として・・

(1) 土地改良事業等による水域の破壊も生態系破壊の理由だが、やはり外来魚の与える影響もかなり大きい。
(2) 子供達を水辺で生き物について教育する時、バスやギル、ジャンボタニシやアメリカザリガニ、ウシガエルばかりいたら(実際そんな感じ)子供達にどう教育していいか分からない。
(3) 釣りという行為も子供の教育になりうるが、釣れてくるのが外来魚ばかりではこれもやはり説明のしようがない。
(4) このまま外来種を野放しにしていたら、佐賀や北部九州の生態系が失われてしまう。

指定反対派の理由

(1) 経済的理由(主に前述した理由)
(2) 生態系の破壊は外来種に因るところも大きいが、まずは不必要な護岸工事等を見直して、それから議論すべきでないのか?
(3) 釣りという行為は、確かに子供の教育になりうる、そして最近の子供達は幼少の頃から外来種にも親しんできており、外来魚に対しても抵抗はないはず、その辺をきちんと教えていけば、外来魚が子供の教育の邪魔になるということはない。

という、どちらも理由は何となく似たようなものであったのであります。
お互いの(1)と(2)は私ももっともだと思いますし、賛成派の(4)もあながち間違いではなく、そういった危機感は大事だと思います。
私個人としては、外来種のみの力で佐賀や北部九州の生態系が蹂躙・破壊されてしまうとも思えませんが・・・
双方ともに「釣り」という行為は子供達の教育にも役に立つものであるから、
移入外来種に指定して欲しい、して欲しくないという意見があります。
一般にこれは賛成派、反対派双方ともに説得力のある意見としてとらえられがちですが、
バスがいる、いない事を子供達に教育・説明することがそんなに難しく、困ることなのでしょうか?
むしろ我々はバスをはじめとする外来生物がいかに我々人間の身勝手な理由から国内に生息するようになった経緯を、子供達に分かりやすく説明し、彼らが「悪者」ではなく、その行為に及んだ我々人間の身勝手(我々釣人の個人レベルの密放流行為も、護岸工事等の原因もあることも含んで)をきちんと教え、彼らもまた被害者であるということを伝えるべきではないでしょうか?滋賀県が実施しているような、県を上げての外来種撲滅運動、具体的に回収ボックスや回収イケスの設置、「ありがとうノーリリース券」(この「ありがとう」という言葉は一体何なのだろうか・・・)などというものの交付、そして小学校では「バスやギルは悪い魚だからみんなで一致団結して捕まえて殺しましょう」等ということを教えていると聞きます。現に「外来魚撲滅キャンペーン」等というイベントを実施し、集まった子供達にバスやギルを釣らせ、釣り上げたバスやギルをゴミのように袋に詰め、処分(廃棄物処理と呼んだ方がいいか?)している光景をTVのニュースや行為がいかにも正しい正義の行為だと言わんばかりに紙面に掲載する雑誌(アウトドア誌では老舗のBP)そして、バス釣りは犯罪行為(今は犯罪的行為と言い換えたようだが・・・)
と著書の中ではっきり言った秋月岩魚氏、この言葉を額面とおり受け取れば、
我々バスやギル、カムルチーを釣る我々は犯罪者ということになってしまう。
秋月氏のこの言動はスーパーで万引きをしていない人をあなたは泥棒だ」と言っているようなものである。
このような生物の生命の尊厳を無視するような教育ではなく、
むしろ生命の尊厳を無視した行為を行ってきた人間の行為、
もちろんこの場合、我々釣人の今までのしたい放題、やりたい放題の行為に関しては、
厳重な非難を受けても甘んじて受けなくてはいけないと思います。
しかし、「犯罪者扱い」されることはありません。これに対しては我々も毅然とした態度を示すべきと思います(決して逆ギレではなく・・・)
これは私の職業柄経験することですが、何らかの行動を起こす際に子供を利用するという行為は、
世界の情勢や仕組みが分からない子供を戦争反対、のデモや座り込みの最前列に座らせているあのイヤらしい行為と全く同じです。
これは今述べた賛成派だけでなく、我々反対派も厳に肝に銘じておかなければならないことと思います。
外来魚は自然環境において人間の身勝手さを教えるいい教育の対象になると思います。
この際教育する側がよく勉強し、指定賛成・反対ではなく公平な立場で子供達に生命の大切さとは何か?
を教えるべきだと思います。
興味深い発言として報告書の最後に取り上げた(発言者は忘れましたが、報告書で記したどちらかの方です)淡水魚(生物ととらえてもいいのか?)は、
自力で生息圏を拡大することができない、ということに関しては私は疑問を持ちました。
この場合、佐賀平野のように縦横無尽に広がるクリーク等のことはおそらく別だと言われるのでしょうが(そう思いたい)
だからといって日本中の湖沼や池沼に故意に人間が広めたものとばかりいえるでしょうか?
前述したように魚の魚に限らず、生物の移動能力というのは人智を越えた所にあり、
大雨が降った時などに増水して溢れ出た池から河川へ泳ぎ渡るコイやフナ、ナマズを見たことは何度もありますし、
大規模な釣りの対象となっていないタイリクバラタナゴの生息圏拡大や、魚に限らず、あの移動速度の遅いジャンボタニシ等の生息圏拡大は(最初の発端は人為的であったにせよ)人為的とは言い切れない部分もあるはずです。
そうでなければ、当初の遺棄、放流地点からそんなに広範囲に生息域を広げたことの理由を説明できません。
いずれにせよ「淡水魚は自力で生息圏を拡大することができない」と断定してしまうのに私は疑問を隠せませんでした。
それから最後の佐賀大学教授の発言
「あなた達釣人はバスの数が釣りたいのか、それとも大物が釣りたいのか?大物が釣りたかったらバスの移入外来種指定に賛成した方がよい」
という発言に私は怒ると言うより、呆れてしまい、そして悲しくなりました。
この人の頭の中では、我々釣人を所詮無知な輩と小バカにし、所詮「釣人はバスを釣ることしか考えていない」程度のことしか考えていないとしか認識しておらず、
指定及び駆除に賛成してバスの駆除を推進すれば個体数が減り、
必然的に生き残ったバスの魚体が大きくなるため、
大物が釣れるようになると言いたいのでしょうが、
少なくとも私の言いたいこと、やりたいことはこの大学の教授の頭の中で考えていることとは全く違います。
学識者と呼ばれる人の中にも、このような考えをお持ちの方もいるのだなと考えさせられました。
この人にとっては、バスやギル、カムルチーなどの外来魚の命の価値など、無いに等しく、
いなくなって当たり前だと思っているとしか私には思えません。
しかし、冷静になって考えてみると、こういった事態を招いたのは私達釣人にも大いに責任があるということを痛感させられました。
そして翌日の佐賀新聞朝刊には、前日の公聴会の模様と、それに抱き合わせるように、
小池環境大臣が都内でのシンポジウムでバス駆除を訴えたという記事が記載されています
(別紙・5、ピンクのペンで囲い)
この記事の中での小池環境大臣の発言が事実とするならば、
激しい憤りを感じ、怒りが沸々とわいてくるのを押さえることができません。
この人は国民の税金を投入して行われた小委員会での決定を完全に無視して
「バスは初めに指定ありき、バスを指定しなければこの法案の意味がない」と公言して、
議会制民主主義の原則を完全に無視した独裁者的決定をしたばかりか、
このシンポジウムでは「このくらいのことが言えなきゃ、環境大臣をやっている意味がない」と述べ、
指定賛成者の拍手喝采を受けたそうです(大臣はさぞかし御満悦だったことでしょう)
これはもう完全に「生命の尊厳」など全く無視し、己の実績作りと、
おそらく国民の中でも(国会議員の中でも、自分を支援する団体や選挙権を持つ人々)多数派である指定賛成派への御機嫌取りにほかなりません。
さらに「(規制対象リストを検討した)専門家会合では私の発言に左右されず真剣に議論していただいた。プロセスに問題はない」と強調したそうです。よくもこのようなウソをしゃあしゃあと述べられる、さすが政治家だと尊敬する思いです。確かに委員会で真剣に議論したのは事実でしょう(この事だけを言っているのか?)しかしその決定を全く無視して、一方的に決めたのは大臣自身です。それに最初の発言などは、自分の所に寄せられた抗議の手紙やウィルス入りメールに対する(こういうことをするバカがいるからいけないのであることも声を大にして言いたい)逆ギレ発言としか思えず、とても政府の一省庁の頂点に立つ大臣の言う言葉ではないと私は思います。バスやギルが指定されたことは百歩譲って仕方のないことと自分自身を何とか納得させることもできますが、都内シンポジウムでの発言に関しては本当に憎しみにも似た怒りで私の体の中は満ち溢れています。
最後に、話は前後しますが、このままでは県が指定候補に上げている14種類の淡水外来魚に関しては、
残念ながら指定される気配が濃厚です。
場合によってはリリ禁という最悪の事態もかなりの確率で予想されます。
あと私達ができることは報告書でも記したとおり、県が実施したという実地調査と、
条例の施行までのプロセスを皆が協力して開示請求し、この条例に関してもっと詳しく知ることと、
時間は無いに等しいですが、県に対し粘り強くお願いすることくらいしかないと私は考えます。
私は公聴会の発言で「バスを指定しないで・・」「カムルチーを指定しないで」といった趣旨の発言は差し控えました。
「甘い」と皆様に思われ、怒りを持たれる方もおられると思いますが、
私としてはバスもカムルチーもブルーギルも全ての外来種を指定して欲しくないと言うのが本心であったし、
こういうただでさえ外来魚に対する逆風の中で
「バスを・・・」「カムルチーを・・・」「ギルも・・・」という発言をした場合、
主催者の県側からいい印象を持たれず、意見をまともに聞いてもらえないかもという恐れもあったからです。
しかし私は魚種にはこだわらずとも、左記の報告書で述べたとおりの発言をし、
きちんと自分の気持ちを伝えたつもりです。私自身の知識と経験の不足から、
言葉が足りなかったことは重々承知しております。
しかし私は公聴会に参加し、発言権を得た責任を強く感じ、
この場所では釣人を代表しているのだとい自覚を持って、堂々と責任ある発言を自分なりにしたという自信は持っておりますが。力が及ばなかったという反省もしております。本当にもう時間がない中ではありますが、私は「生命の尊厳」というものをもう一度よく考え、何をすべきなのかをよく考えながら、所見の結言としたいと思います。長々とまとまりのない文章を一読いただき、本当にありがとうございました。
 


平成17年3月18日          佐賀県雷魚団  横 峯 竜 一 








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今までの経過 その2
  2005.01.21
 
text by 新家 邦紹

  「特定外来生物被害防止法」魚類 01,21以降


それはさておき「特定外来生物被害防止法」ってのは、本当に身勝手なモノだな。

ジャワマングースなんて哀れで仕方がない。

目先のことしか考えない馬鹿な人間のせいで、こんなことになってしまうとは。

昼行性のジャワマングースが夜行性のハブをどれだけ捕食すると考えてたんだろうか?

マングースはヘビとネズミばかり食うとでも考えていたのだろうか?

選定云々の生物は、実はみんな被害者なのだ。

昨年末の時点でリストアップされていたカムルチー、タイワンドジョウ(ライヒー)、コクチバス(スモールマウスバス)、ブルーギル、ノーザンパイク、チャネルキャットフィッシュ、ヨーロッパオオナマズのうち、1/21の魚類グループ会合で、カムルチーとライヒー、ノーザンパイクとヨーロッパオオナマズは指定を外れた。
これらは法律に根拠のない要注意外来生物として扱われる見込みだ。

同時にニジマス、ブラウントラウト、ブルックトラウト(カワマス)も要注意外来生物に指定。

魚類では、この他にソウギョ、アオウオ、オオタナゴ、タイリクバラタナゴ、ウォーキングキャットフィッシュ、カダヤシ、グッピー、ケツギョ、コウライケツギョ、ナイルパーチ、ストライプトバス、サンシャインバス、タイリクスズキ、ヨーロピアンパーチ、パイクパーチ、ナイルティラピア、カワスズメが同様の扱いとなるようだ。
ところでウォーキングキャットフィッシュってどんなナマズ?

他の魚はわかるけど、これは知らない。トーキングキャットならわかるけど。

コウライケツギョってのはソガリだな。これは韓国で食ったことがある。

パイクパーチ、これはウォーライ(WALLEYE)のことだな。

あのー、カワスズメって日本でのティラピア科の総称じゃなかったっけ?

ナイルティラピアとモザンビークティラピアがカワスズメ科オレオクロミス属、ジルティラピアがカワスズメ科ティラピア属。

あ、そうか、和名カワスズメってのはモザンビークティラピアのことか。

婚姻期にはオスの背ビレと尾ビレのエッジが赤なるヤツだな。

魚類以外では、インドクジャク(テレビでやたらと繁殖してるのを見たぞ)、チュウゴクモクズガニ(上海ガニ)、アメリカザリガニ、フェレット、外来クワガタムシ類、ホテイアオイ、オオカナダモなどが要注意外来生物に挙げられているそうだ。
ちなみに全体会合は1/31に予定されている。

19日の「オオクチバス小グループ会合第4回」では、オオクチバスを法施行時の特定外来生物に指定することは見送りとなった。
「半年をめどに指定に向けた検討を進める」と決着を先送りする内容が発表された。

これに対してバス指定派からは、環境相の「鶴の一声」を望む声も聞かれた。

何はともあれ、一応「先送り」ということになったのだ。

ところが21日の魚類会合で一転して指定に。背景にあるのは、やはり環境相の「鶴の一声」らしいが…。

環境相にこれを言わせれば、官僚は逃げやすい。

朝日新聞の20日朝刊「時時刻刻」に掲載されていた環境相幹部の言葉には

「指定派、反対派双方の国会議員から多くの電話を受けた」とある。

オオクチバスにかんしては、釣り人がどうこう言う次元を超えたところで、コトが動いているようだ。

「動いているようだ」なんて書いたが、もとからそうだったのだ。

生態系云々より利害なのだ。

とにかくライギョやバス、ギルといった自分の愛好する釣りの対象魚だけでなく、

法律全体についてもよく考えてほしい。
 




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今までの経過 その1
  2005.01.15
 
text by 新家 邦紹

  「特定外来生物被害防止法」にかんする個人的意見
〜「ライギョ」が選定種に!? でも「ライギョ」だけではない〜
 

2005年6月から施行される「特定外来生物被害防止法」に、
カムルチーとタイワンドジョウ(ライヒー)がリストアップされたことを私が知ったのは、
遅ればせながら2004年12月、雑誌原稿類の締切り直後のことであった。
同時に知ったのは、オオクチバス(ラージマウスバス)が「委員会」を離れ、
別の「小委員会」で扱われることになった、という話であった。
また、同時にバス擁護派は「オオクチバスだけは回避するので、
それ以外の魚種は騒がず容認せよ」という取り引きを持ち出している、 という話も聞こえてきた。
その時、私の頭に浮かんだのは「スケープゴート(scapegoat)」という言葉だった。
「スケープゴート」とは「贖罪のヤギ、生贄、身代り、犠牲者」を意味する。

オオクチバスにかんしては、2005年1月19日に会合があり、 議論されることになっている。
さらに、2005年1月21日には「特定外来生物等分類群専門家グループ会合」の第2回目魚類グループが開催される。議題は特定外来生物等(魚類)の選定について」である。

この「特定外来生物被害防止法」の選定の基準は「明治以降に移入された種で、
生態系を著しく破壊するもの、またはその危険があるもの、農作物や漁業に悪影響を及ぼすもの、人体や生命に危険を及ぼすもの」等である。
魚類にかんして言えば、選定された場合は「釣って飼育すること、移動、輸入、売買」などを禁止され、
何らかの「被害」報告がなされた場合には「防除」の対象とされる。
防除の「防」の字は、封じ込めなどにより拡大を「防ぐ策」に相当する。
一方「除」の字は「駆除」に相当すると考えてもらってもいいだろう。

ただし、この法律自体は釣りを禁止するものではないし、選定されたからといって、即駆除!
というわけではない。

だから、選定された種がそこにいて、それを釣っても、その場でその水に返せば、咎められることはない、という解釈が成立するはずだ。
現在、選定作業が必要な魚種は「案」として、カムルチー、タイワンドジョウ以外にコクチバス(スモールマウスバス)、ブルーギル、ノーザンパイク、チャネルキャットフィッシュ、ヨーロッパオオナマズが挙げられている。
カムルチーとタイワンドジョウ以外にかんしても当然言及したいことはあるが、
この場では一般に「ライギョ」と呼ばれる上記2種にかんする話をしよう。

ライギョ釣りを愛好している人なら、カムルチーやタイワンドジョウが上記の選定基準に当てはまらないことは「実地で見聞」し、百も承知だと思う。
バス釣りを愛好している人であっても、その他のルアー以外の釣り人であっても、水産関係の人であっても、「自然や生態系に対する公平な目」を持っている人なら、それは周知のことであると思う。


私の見解を述べる前に、カムルチーとタイワンドジョウが「選定作業が必要な魚種」 としてリストアップされた理由などを見よう。
抜粋であるが明らかに入力ミスと思われるもの以外の字句は原文のままで写しておく。


              * * *

カムルチーがリストアップされた理由

主な参考文献

1.Fish and Wildlife Service (2002) Injurious wildlife species:snakeheads(family Channidae). U.S.Environmental Protection Agency, Federal Register Environmental Documents, Vol.67, No.193

2.FishBase
http://www.fishbase.org

3.金井慶幸・関口芳弘(1980)卒論「魚食性外来魚の社会的評価について」.フィッシング6月号・7月号

4.川那部浩哉・水野信彦・細谷和海(編・監)(2002)山渓カラー名鑑日本の淡水魚(改訂版)山と渓谷社.719pp

5.日本生態学会(編)村上興正・鷲谷いずみ(監)(2002)外来種ハンドブック. 地人書簡.390pp

6.滋賀県立琵琶湖博物館
http://www.lbm.go.jp/index.html

7.U.S.Fish and Wildlife Service(2002) Invasive Species Program. Snakehead - The Newest Aquatic Invader(USGS Florida Caribbean Science Center/USFWS Fact Sheet July 2002)


タイワンドジョウがリストアップされた理由

主な参考文献

1.Courtenay Jr.,W.R.&J.D.Williams(2004)Snakeheads(Pisces, Channidae)- A biological synopsis and risk assessment. U.S.Geological SurveyCircular 1251

2.FishBase
http://www.fishbase.org

3.金井慶幸・関口芳弘(1980)卒論「魚食性外来魚の社会的評価について」.フィッシング6月号・7月号

4.川那部浩哉・水野信彦・細谷和海(編・監)(2002)山渓カラー名鑑日本の淡水魚(改訂版)山と渓谷社.719pp


             * * *


カムルチーとタイワンドジョウが「選定作業が必要な魚種」としてリストアップされた「理由」「被害の実態」「被害をもたらしている要因」そして「主な参考文献」は上記である。
 これら2種を「本当に知っている人」が読むと、「!?!?」となる箇所もあったと思う。

ではこのあたりから、私の実体験としての日本のカムルチーとタイワンドジョウが「特定外来生物被害防止法」の選定基準に当てはまるかどうかを見ていこう。
 まずは「生態系を著しく破壊するもの、またはその危険があるもの」という項目で考察してみよう。

カムルチーやタイワンドジョウの生息する場所の多くでは、在来種が多く見られる。
「彼らのせい」で在来種であるメダカ(Oryzias latipes)やモツゴ、タモロコやヤリタナゴや
ニッポンバラタナゴ、キンブナやギンブナなどが減少した例など、見たことも聞いたこともない。
それは両生類にかんしても言えることだ。
トノサマガエルやダルマガエル、ヌマガエルやツチガエルなど、
水中や水辺にいることが多いアカガエル科の種にしても、
サンショウウオ科の小型種やニホンイモリにしても、
カムルチーとタイワンドジョウのせいで激減したものなど存在しないだろう。
甲殻類や水生昆虫にかんしても同様だ。

もちろん、それらの種を食うことはある。
しかし、生態系を「著しく破壊する」などありえないことなのだ。
「著しく」どころか、「破壊」という言葉に値することすら、彼らにはできないだろう。
ただでさえ日本国内では減少しつつある種なのだ。
肉食魚として、生きている他の魚や両生類、爬虫類を食うことを「破壊」と呼ぶ人がいるとするなら、
それは奇妙な感傷に端を発する誤解である。
肉食魚は生きるためには、生きている他種を食わなければならない。
度を過ぎれば「食害」や「破壊」と呼ぶことも可能だが、
カムルチーやタイワンドジョウにかんしては、それを「破壊」などと呼ぶには、
いくら誇張しても不可能であることは、彼らの生息している湖沼や河川の「生態系そのもの」が証明している。
古くから彼らが定着した場所では、すでに80年以上にわたり安定を維持している例も多い。

次に「農作物や漁業に悪影響を及ぼすもの」。
肉食魚なので、商品として栽培されているヒシやハス、クワイなどを食うことはありえない。
漁業にかんしても、上記の在来種との共生を考慮してもらえば、理解に難くないはずだ。

そして「人体や生命に危険を及ぼすもの」。
日本国内のカムルチーやタイワンドジョウを生食して、
有棘顎口虫に感染した例も、昭和40年代以降見られなくなっている。
この話は寄生虫学者として有名な藤田紘一郎教授が著書『笑うカイチュウ』の中でも触れている。
最も濃厚な有棘顎口虫の分布地であった佐賀地方で、
この寄生虫を調べた九州大学の教授によると、100匹近いカムルチーを検索しても、
1個体の有棘顎口虫も発見できなかったという。
有棘顎口虫の生活環が途切れたことを示唆するものだ。

仮に感染したとしても、それは淡水魚の生食自体に問題がある。
「ライギョ」に限らず、淡水魚の生食には寄生虫症感染の危険があるのだ。
代表的なものは肺や肝臓への吸虫類である。
アユの生食が行なわれる地域では横川吸虫の感染例も多いようだ。
予防は単純である。淡水魚を食う場合には十分火を通してから、というだけのことだ。
「人体や生命に危険」というのは、こういう意味の危険のことではないだろうが、
「ああ言えば、こう言う」式のツツキが入った場合の予防線として、念のためこれに記しておく。

産卵保護床で卵や稚魚を守っている親魚は、侵入者に対して迎撃することもある。
自分より侵入者が大きい場合は引き下がることが多いし、
当然のことながら「人体や生命に危険を及ぼす」ほどのものではない。

「お前はライギョが好きだから、そうやって弁護するだけだ」と言う人もいるかもしれない。
たしかに私は「ライギョ」と呼ばれる魚族が好きである。
しかし、偏愛はしていない。
何故なら私は「ライギョ愛好者」である以前に「自然観察者」であり「自然愛好者」であるからだ。
この事実は、私と行動をともにしたことがある人なら理解できるはずだ。
私は「ライギョおたく」ではなく、
池や流入する溝の生物、周囲の水辺林における生態系まで視野に入れて、
本来の釣りを忘れかけることもしばしば、であることは、取材に同行した経験のある雑誌記者や、周囲の知人その他が証明してくれるはずだ。
また、机上の空論ではなく、屋外での自分の誇張しない見聞を大事にする。
その姿勢も彼らが証明してくれるはずだ。
 
どんな学者(まさかバス擁護派?)がカムルチーとタイワンドジョウを選定に入れたのかは知らないが、
これらの種族にかんしては、私のような在野の釣り人兼観察者のほうが、はるかに真実を知っているはずだ。
フィールドワークなしでは本来の習性はわからない。
しかし、聞くところでは選定委員には釣り人はひとりも入っていない。
そして当然、私は「ライギョ」について質問されたことなど一度もない。

私は「特定外来生物被害防止法」にかんする声が上がるずっと以前から、
カムルチーやタイワンドジョウと在来種との共生を目にしてきたし、それにかんする話をしてきた。
カムルチーやタイワンドジョウと在来種との共存にかんしては、
2002年9月30日に発行された日本生態学会編の『外来種ハンドブック』にも、
あくまでも証言例としてだが、記載されている。
何でもかんでも、外来種を完全悪に仕立てたがる傾向が強い中、
公平な意見が出ているものだな、と当時少しだけほっとしたものだ。

しかし、この本、カムルチーにかんしては前出の「被害の実態(代表的な事例)生態系に係る被害」の中で「●大型になる上位捕食者で魚類や甲殻類などを補食する。(文献1,2,5,7)」の「文献5」としてしか扱われていない。

たしかにカムルチーやタイワンドジョウの生息水域でも、在来種が減少した場所はある。
しかし、それを食害とするのは、いささか早計である。

私が見てきたそのような水域では、水生植物にも影響が出るほどの水質変化(悪化と言ってもよいレベル)が著しかった。
溶存酸素に依存する一般の魚には致命的であろう。
しかし、カムルチーやタイワンドジョウは、空気中の酸素を直接呼吸することが可能なのだ。
呼吸器官自体が異なるのである。水域を制覇したわけでも独占したわけでもない。
その構造の違いにより、何とか「生き延びた」のだ。
 
これら2種の「ライギョ」について、その外見的特徴を快く思わない人や、
空気中でも他の魚たちより長く生きていられる(あくまでも他魚種よりは長く、という意味。
そのまま放置されれば当然生きてはいられない)呼吸器構造を気味悪がるあまり、
実際にはありえない虚偽を述べたてる人もいる。

「炎天下に放置しても3日間生きていた。近づいたら噛みつきにきた」
「自分の体より大きなコイを食べた」

など。

前者は論外なのでそれこそ放置しておく。一方後者も絶対にありえない。
何故なら彼らは噛みちぎるための歯や顎を持っていないからである。
彼らの歯は、獲物を逃さないためだけに進化したものだ。
捕食が下手だから、一度でも口にした獲物は逃さないように進化した、僅かなカーブを持つ紡錘形の歯である。
肉食哺乳類のように前足で獲物を押さえることができない魚族が、
肉を噛みちぎるにはメジロザメ目やピラーニャのような形状の歯が必要だ。
つまるところ彼らは丸呑みスタイルだから、自分より大きな魚を食うことは、身体構造上できない。
カムルチーにおける「被害をもたらしている要因 生物学的要因」には
「体長(尾ビレは含まない)の1/3程度の大きなものでも捕食できる」とあるが、
口が体に対してきわめて大きい幼魚期を過ぎると、大きなものを無理して捕食する傾向は、急速に減退していく。

彼らを「獰猛」「貪食」と表現する向きが未だにあるが、それは事実を知らない人の誇張にすぎない。
ある漫画で一躍そのイメージを背負わされた感がある。
作者の方には下のように言わせていただきたい。「あなたはそれを描いた時点では、
あまりに『ライギョ』について無知すぎた」と。

そこに描かれている行動様式も「ライギョ」本来のものとは異なる。
こんな話をしたのは、彼らの身体的特徴を「ヘビみたいで気持ち悪い」と嫌悪する人が多いという事実、
迷信や俗信により真実が見えなくなっている事実を踏まえた上で、
まずは「あらぬ疑いを晴らそう」という主旨に他ならない。

ここまで読んでいただけたら、カムルチーやタイワンドジョウは 「あえて選定する必要はない魚種」

であることは、ライギョ釣りをしない人でも理解していただけると思う。
日本国内の個体数も少なく、しかも多くの生息域では減少の途にある。
その魚種を最悪の場合「我々の税金を使った駆除の対象」にまでなる可能性がある種として、
選定する必要が本当にあるのだろうか?

この「特定外来生物被害防止法」にかんしては、環境省宛のパブリックコメントの機会がある。
1月15日現在、聞き及んでいるところでは、期間は2月上旬〜3月の約1カ月間とされているようだ。
環境省のホームページで随時更新されている。ライギョ釣り愛好者だけではなく、
その他の釣りを愛好しておられる方でも、自然観察者でも自然愛好者でもいい。
「特定外来生物被害防止法」の選定内容にかんして「何かヘンだな」「納得いかないな」と思われる方は、
パブリックコメントを是非とも寄せていただきたい。
それで選定から外れるのかどうかは正直わからない。
しかし、事実と異なる内容で、彼らが最悪の場合「我々の税金を使った駆除の対象」となるのを、
何もせずに放っておくことはできない。
人間として良心があれば、冤罪を見逃すなんてできないだろう。
ちなみにパブリックコメントと聞けば「難しそうでイヤだな」と思う向きもあるかもしれない。
それは文字通り「公衆に求めるコメント」である。
公衆である私たちは、この問題について思うところを「自分なりの表現」で発言すればいいのである。
内容は短くても簡単でも悪かろうはずがない。
ただし、言うまでもないことだが、感情に左右された過激な発言などは控えるべきである。

ここではあくまでもカムルチーとタイワンドジョウにかんする話をしたが、 他の魚種にかんしても疑問はある。
現在選定されている魚種はこれら2種以外に、ブルーギル、コクチバス(スモールマウスバス)、ノーザンパイク、チャネルキャットフィッシュ、ヨーロッパオオナマズ。
日本生態学会が危険度Aランクに分類したオオクチバスやニジマス、ブラウントラウト、タイリクバラタナゴ、ソウギョなどは含まれていない。
オオクチバスやニジマスは多くの人に「利用」され、同時に「産業」にもなっているかららしい。
それでは本筋を外れていないか?

また、選定こそされていないが、
「何故あんな小さくてきれいなタイリクバラタナゴが危険度Aランクなの?」
といぶかしがる人もいるだろう。

それは在来種であるニッポンバラタナゴとの交雑が容易なため、純系喪失の危険があるからだ。
生態系の破壊には「食」以外の問題もあることを、知っておいていただきたい。

魚以外も例示するとキリがないだろう。
あなたが生物や自然に対し「公平な目」を持つ人であれば、疑問も噴出するだろう。
在来種であるクサガメやイシガメを駆逐し(?)
そこらの池を占拠しているミシシッピアカミミガメは何故選定外なのか?とか。
これでは「法律」としての正当性は希薄ではないか?
だからまずは「特定外来生物被害防止法」の現在の選定内容を把握することをお勧めする。

誤解のないようにさらに申しあげておくと、
私は「ライギョだけでも選定から外せたら、それでいい」というスタンスではない。
現在の選定内容に見られる、法律としての成立原則への違反にも「問題あり」と言ってるのだ。
カムルチーやタイワンドジョウのみならず、現在の選定内容には明治以降に移入された種で、
生態系を著しく破壊するもの、またはその危険があるもの、
農作物や漁業に悪影響を及ぼすもの、人体や生命に危険を及ぼすもの以外が含まれている。
いやな言い方をするが「ライギョ」にしか興味のない人は、この機会にもっと視野を広げてほしい。

追記
1月14日、カムルチーとタイワンドジョウにかんする件で、
東京で会合を行なった際に、「特定外来生物被害防止法」の特にオオクチバスにかんして詳しい方から、

「明治以降に移入された種で、生態系を著しく破壊するもの、またはその危険があるもの、農作物や漁業に悪影響を及ぼすもの、人体や生命に危険を及ぼすもの」

という選定基準は完全に明文化されたもので、変更の余地はないものと聞いた。
それなら環境省や選定委員の方々は、下記の事実をどのように受け止めるだろう?

カムルチーかタイワンドジョウかは私は調べきってはいないが、
いわゆる「ライギョの生体」が明治以前に日本へ渡来した記録が残っている。
以下は平凡社発行、
荒俣宏著の『世界大博物図鑑2魚類』からの引用である。

             * * *

(前略)文化1年(1804)には、生きたライギョが大小とりまぜて十数尾渡来した。
大きいもので長さ1尺、小さいもので数寸、形は頭も尾も同じ大きさで、腹がとくに太いということもない。
体がぬるぬるしてギバチ(ギギ)のようだった、とある。
なお文化年間に、生きたライギョ(カムルチーと思われる)が舶来された話は、
栗本丹洲『皇和魚譜』にも載っている。(後略)

             * * *

また高木春山の図譜『本草図説』にも、その絵が残っている。
私はこの件に平成5年学習研究社発行の『ライギョ大全』でも触れている。
その絵は前出の『世界大博物図鑑2魚類』233pで見ることができる。
そこではタイワンドジョウ(Channa maculata)とされているが、いかがなものか。
カムルチーもタイワンドジョウも外見はかなり似ているので、当時はっきり同定されたという保証はない、と思う。
また両種をひっくるめて「タイワン」もしくは「タイワンドジョウ」と呼ぶ地方も多いことなど、不確定要素もある。
ただ、間違いないのは「明治以前に『ライギョ』の生体が日本に入っていた」という証拠が存在するということだ。

ちなみに高木春山とは江戸時代後期の本草学者で、下目黒郷長峰町に住居をかまえ、
諸国の動植物を観察し『本草図説』に取り組むも、完成に至らぬまま1852年に亡くなった。
『本草図説』は植物と魚類が中心だが、哺乳類も収められている。
この『本草図説』は全195冊が愛知県西尾市立岩瀬文庫に収められている。
水産編20巻は孫の高木正年が明治16年の第2回水産博覧会に出品した記録が残っている。



こうして「特定外来生物被害防止法」の問題を見ていくと、行き着くのは日本人の身勝手さである。
ハブとネズミの天敵として沖縄本島、奄美大島に移入されたジャワマングースは増殖し、
希少種トゲネズミやアマミノクロウサギをはじめとする在来の地上性生物を捕食し、
減少あるいは絶滅させたという理由で駆除対象になっている。
在来種の保護は大切だが、一番の被害者は「人間によって勝手に運命を左右された」ジャワマングースだということを認識しなければ、また必ず過ちは起きる。
琵琶湖のオオクチバスの問題でも「他の生物を抑止力として」という懲りない浅はかな、
とても学識者の発想とは思えない考えが出ていたのを、ご存知の方もいると思う。
実施はされなかったようだが。

 一方、ペット問題も見逃しにできないことが多い。
ここに発生源を持つものの代表はアライグマだが、
ワカケホンセイインコもミシシッピアカミミガメもカミツキガメも外来クワガタも同様。
輸入昆虫の寄生ダニ類も重大な問題である。
魚にかんしては「飼いきれなくなったから」「飽きたから」といって肉食性大型熱帯魚を、溜め池などに捨てる行為も耳にする。
ペットや釣り業界に関係する人による、そういう行為もあるようだ。
「冬を越せないから大丈夫」なんか言い訳にすらならないし、面白がっているフシさえあるのはさらに問題だ。
この消費国家で生活する日本人、完全に麻痺してるのか?
一度は愛情をかけた「命」ある生き物すらも消費対象なのか?
駆除となれば、その生物も消費対象である。
駆除で一儲けという人も、そのための虚偽報告も出てくるだろう。
それでいいのか?